直せない家の管理人

3か月ぶりに歯医者に行った。歯周病があって、麻酔をして歯茎の中の歯石を取る集中治療をした後の経過観察である。歯並びが悪いので歯垢、歯石がたまりやすい。フロスや歯間ブラシも使ってくださいねと優しく言われたものの、気付けば毎日ケアしている訳ではない。管理不行き届きと叱られないかと、行く前はどきどきした。もちろん、今どきの病院で叱られるなんてことはないと分かってはいるのだが。

年を重ねると、自分の体が元に戻らないことを自覚させられる。歯石がたまったことで後退した歯茎は、再び歯の根を覆ってくれることはない。手入れをして進行を止める、あるいは遅らせることしかできない。同じことが、逆流性食道炎を引き起こす下部食道括約筋にも、要治療範囲に入っている拡張期血圧にも言える。若い頃、病気は一時的なもので、治れば元の体に戻るものだと思っていた。今は、住み慣れた家を手入れするために雇われた管理人のような気がしている。リフォームできないところがもどかしいが、ちゃんと管理するよう緊張感を持つには定期的に診てもらうのも必要だなと歯医者に行くたびに思う。

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