そのカギ、要りますか?

読んでいて気持ちが入っていかない文の特徴の一つに、鍵かっこが多いというものがある。初めて見る文字列が鍵かっこでくくってあると、意味が気になって先に進めない。一方、普通の単語をやたらと鍵かっこに入れている文も引っかかり引っ…

バス停は移動中

工事中の帰路、ゆっくり車で通過するときに「バス停は移動中」という看板があった。「移動」は動き続けていると感じさせる。さらに「中」が付くと、今もまさに動いている感じがする。バス停がじわじわと動いている。それも自分から見て遠…

物とだって出会う

記事を書くのは共同通信の「記者ハンドブック」にならってきた。多くの記者がいて、それぞれの書き癖をストレート記事で出していたのでは読みにくいので、こうした基準があるのは意味があることと思う。何々する「半面」は、「反面」と書…

「暴力は感染症」〜例えの功と罪

「暴力は感染症なんです」。初めて聞く言い回しだったので、一瞬戸惑った。暴力を振るった加害者の更生に携わる人の言葉だ。ちょうど新型コロナウイルス感染症が流行した後のことで、透明の膜とマスク越しに聞いた。アルコールで手を洗う…

見立てられる側の心情

「○○のメッカ・聖地」などの例えを記事でよく使ってきた。イメージしやすいと考えていたからだ。でも、ある時期からやめた。きっかけは「里親」だった。 勤めていた新聞社に里親の会の代表が訪ねて来て、要望を伝えた。当時、犬や猫の…