「虚構新聞」の作者は記者経験があるのではないかと常々思っている。そうでなければ文体模倣の才が秀でている。記事中では角度を変えた匿名コメントを複数入れて記事の輪郭を彫刻するように見せ、最後は識者コメントで核心を描く。識者では、坂本義太夫教授（所属大学・組織が度々変わるのは有能な証拠なのだろう）があらゆる問題を縦横無尽に斬るのが魅力だが、最近出番が減って、ほかの識者が出ていることが多い気がする。
サイトも新聞社的なつくり。URLの一部がkyoho-npなのも、一見するとkyoto-np（京都新聞）に見えるからだろう。
ここ最近で一番好きなのは「好きな番組ジャンル、首位は「ＣＭ」」。ほお？と思って読んでみると、ジャンルを名目ではなく内容で区分けし直したら、13年連続首位だった「バラエティ」は実質的にはCMだったという内容だ。CMを飛ばしてCMを見る奇妙な視聴習慣が定着しつつある、という報告書の分析に腹を抱えた。