語彙は人なり

オンラインの読書会に参加している。同じ本を読むのではなく、それぞれが読んだ本を紹介する形だ。お互い名前は呼び合うが、何をしている人なのか尋ねることはない。新参の私が知らないだけで、古いメンバーはよく知り合っているのかもしれないが。

紹介する本がその人らしいと思えるくらいには、人となりが分かってきた。もう一つ、使う言葉にもその人らしさを感じるようになった。予めメモを作っていく私と違ってその場でコメントしているAさんの語り口はもちろん自然な話し言葉で、あーとか、意味のない言葉が多くなるが、時折「豊潤な世界観」などと絶妙な表現があって、その本を読みたくなる。

Bさんは理路整然と話すタイプ。関連する複数の本を短い時間で関連させて紹介する技術はすごいと思う。彼はよく「検閲」という言葉を使う。日が違っても出てくるのでよく使うのだろう。新聞社出身の私にはどきっとする重い単語なのだけれど、彼は自分でやる「推敲」とか、他者から「指摘」を受けて文章が変わることを指しているようだ。言葉の定義や範囲が違うところにも人となりが現れるのだろうなと思った。

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