ブラジルのピリオドとカンマ

2008年、移民100年記念式典取材のため、ブラジルとアルゼンチンにいた。たぶん生涯に一度の得難い経験を楽しみながらも疲れていた。ずっと続くステーキに、肉好きとは言え野菜が欲しくなった。加えて、自分に理解できない文字列に囲まれ続けているのもストレスだった。

そんな中、アラビア数字は理解できる唯一の文字列だった。ドルとレアル、円を換算して自分が理解できる世界があるという感覚を確保した。が、しばらくして違和感が湧いてきた。

ブラジルの通貨レアルは、R$1.000,00と書いてある。下2桁は補助単位センターボだ。日本とは位取り点と小数点が逆になっているのだった。ほかにも、これはうろ覚えだが、英語でNo.1と表すような場合、1°と書いてあったような気がする。

記号、それも点にヒゲがある、ないという小さい違いに、別々の意味を持たせていることに驚いた。でも、考えてみれば「,」が位取りを意味する理由はないものなと思い直して、自分の感覚が絶対だと思わなければストレスになることもないと気が楽になった。

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