一番古い記憶を描写する

先日引用した『自分づくりの文章術』(清水良典、ちくま新書)は実践例を挙げて勧めている。その一つ「最初の記憶を再現する」をやってみることにする。この実践は、記憶していることをできる範囲で描写することを求めていて、記憶の周り…

「奴隷の作文」 共感と悔悟

例によって文章に関する本を読んでいる。予告したパラグラフ・ライティングの続きは、ちょっと後回し。今回は清水良典さんの『自分づくりの文章術』(ちくま新書、2003年)から。 清水さんの娘さんが中学1年生の頃、罰として反省文…

「離脱上等!」のライティング技術

書くこと、書かれたものを扱うことを仕事にしたいので、そういう本を読んでいる。中学数学が怪しい自分には縁遠いと思っていたブルーバックスに「書く技術」という書名があったので読んでみた。『論理が伝わる 世界標準の「書く技術」〜…

子は10人分の座持ち

正確な言い回しは忘れてしまったが、沖縄のことわざに子どもは10人分の座持ちであるという意味のものがあったと覚えている。10人じゃないかもしれない。でも、一人前以上なのは確かだ。親戚などの集まりで小さな子がいれば、それだけ…

伏線がつくる親密感

「アパートの鍵貸します」を見た。さすがにいい映画だった。出来事が伏線として回収されないという意味でリアリティあるロビンソン・クルーソーの話(回収しない物語)とは正反対で、よくできた物語だった。 物語が進むにつれて、主人公…